導入ノウハウ

食事補助サービスの選び方——食事券型・宅配社食型・設置型の違い

公開 2026年9月16日 /更新 2026年9月17日

食事補助サービスの選び方——食事券型・宅配社食型・設置型の違い

食事補助サービスは、大きく食事券型・宅配社食型・設置型の3方式に分かれます。所得税の非課税ルール自体はどの方式でも同じで、「従業員が食事価額の50%以上を負担・会社負担が月7,500円(税抜)以下」が適用されます。違いは制度ではなく、①食事をどこで・どう受け取るか、②50%負担と月次上限を誰がどう管理するか、③費用構造、の3点です。どれが優れているかではなく、自社の働き方(外出の多さ・出社率・拠点の場所)でどの方式が合うかが決まります。

本記事は個別サービスの優劣を論じるものではなく、方式ごとの構造の違いを、非課税枠の実務を軸に整理するものです。非課税枠のルールそのものは実務対応ガイドをご覧ください。

食事補助サービスの3方式

食事券型 宅配社食型 設置型(置き型社食)
仕組み 電子カードや紙の食事券を支給し、加盟する飲食店・コンビニで利用 弁当をオフィスに配達。従業員が事前注文 オフィスに冷蔵庫・什器を設置し、惣菜等を常備
食事の受け取り場所 加盟店(外食・中食) オフィス オフィス
向く働き方 外出・外回りが多い、拠点が分散 出社中心、まとまった人数が同じ場所で昼食 少人数、時間がバラバラ
初期設備 不要 不要 什器の設置が必要
提供エリアの制約 加盟店網に依存 配達エリアに依存(当社hOuRは東京23区) 全国(配送可能なら)

非課税枠の実務は「どこで管理されるか」が違う

3方式とも所得税の非課税要件は共通ですが、要件を満たし続けるための管理を誰が担うかが異なります。

  • 食事券型: 利用は従業員の裁量(いつ・どの店で使うか)に委ねられるため、勤務日の利用に限る、月の利用上限を守るといったルール順守を、サービス側の仕組みと社内規程の両輪で担保する設計になります。どこまでをサービス側が制御してくれるかは提供元によって幅があるので、検討時に必ず確認してください
  • 宅配社食型: 注文・決済・補助の適用がひとつのシステム内で完結するため、従業員別の利用実績と会社負担額が自動で記録されます。当社hOuRの場合、補助率・月次上限をシステム側で制御でき、50%ルールを外れる注文自体が発生しない設計です
  • 設置型: 集金方法(現金・キャッシュレス)によっては、誰がいくら自己負担したかの記録が運用頼みになりやすく、証跡管理の設計が導入時の論点になります

税務調査で問われるのは「要件を満たしていたことを証明できるか」なので、利用実績・負担割合の記録がどこに・どう残るかは、比較の際に必ず確認すべき項目です。要件を外す典型パターンは外れやすい5パターンと対処法にまとめました。

費用構造の違い

  • 食事券型: 券面額の補助分と、サービス利用料(従業員数・発行額に応じる形が一般的)
  • 宅配社食型: 弁当代の補助分と、配送・システム利用料(当社hOuRは初期費用0円、補助は最大50%または月7,500円の範囲で設計)
  • 設置型: 商品代の補助分と、月額サービス料、什器・電気代

いずれの方式も、会社の実質負担は「補助分 + 運用コスト」です。補助分は非課税枠の上限(月7,500円)で頭打ちになる一方、運用コストは方式と人数で変わるため、1人あたりの合計で比較しないと判断を誤ります。会社側の経理処理そのものは方式によって手間が変わります(食事補助の経理処理と仕訳例)。

宅配社食型で自社の条件(人数・単価・補助額)だとコストがいくらになるかは、福利厚生経費シミュレーターで試算できます。非課税要件の判定付きです。

どの方式を選ぶかの判断基準

  1. 昼食時にオフィスにいる人が多いか。出社中心なら宅配社食型・設置型、外出が多いなら食事券型
  2. 拠点はどこか。東京23区内のオフィスなら宅配社食の選択肢があり、地方拠点や分散拠点は加盟店網のある食事券型が現実的
  3. 管理をどこまで自動化したいか。総務・経理の工数を増やしたくないなら、利用実績と上限管理がシステムで完結する方式を
  4. 食事の質・選択肢をどう考えるか。毎日のメニューの幅、温かい食事かどうかは従業員の満足度に直結するため、試食やトライアルで確認を

併用も選択肢です。本社は宅配社食、外回りの営業部門は食事券、のように部門の働き方で分ける設計も、対象範囲を規程で明確にすれば可能です。ただし非課税枠の上限は会社と従業員の関係で判定されるため、併用時の会社負担は合算で月7,500円以下に収める必要があります。

よくある質問

Q. 方式によって、非課税の上限額に違いはありますか?

A. ありません。どの方式でも所得税の非課税枠は同じルール(従業員50%以上負担・会社負担月7,500円税抜以下)です。2026年4月改正の引き上げも方式を問わず適用されます。

Q. 複数のサービスを併用した場合、上限はどうなりますか?

A. 非課税枠は会社と従業員の関係で判定されるため、複数サービスの会社負担は合算して月7,500円以下である必要があります。併用時は合算管理の仕組みを先に設計してください。

Q. 食事券を現金化・転売されたらどうなりますか?

A. 食事の現物提供とみなされない使われ方は給与課税のリスクに直結します。各サービスの利用規約と社内規程の両方で禁止を明確にし、違反時の扱いも定めておくべき論点です。

参考にした一次情報


※本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。各方式の仕組み・費用構造は一般的な傾向としてまとめたもので、実際の条件はサービス提供元によって異なります。個別の税務判断は顧問税理士にご確認ください。